← 学習ポータル問題をはじめる ↓

高校1年生 · 物理基礎

仕事とエネルギー50問

力がする仕事から、エネルギーの移り変わりへ。

全5分野・各10問。自分で考えてから「答えと解説を見る」を開いて確認しましょう。基礎知識と計算を段階的に学ぶオリジナル問題です。

共通条件:重力加速度はg=10 m/s²とします。特記しない限り物体は質点とみなし、ばねはフックの法則が成り立つ理想的なものとします。摩擦・抵抗・滑車などの条件は各設問に従ってください。

記号:W:仕事、P:仕事率、K:運動エネルギー、U:位置エネルギー。単位のWはワットを表します。

1. 仕事の意味と符号

問1

物理でいう「仕事」を、力と移動の向きに着目して説明しよう。

答えと解説を見る

答え:力の移動方向の成分と、移動距離の積。

一定の力では W=F∥s。力と移動が同方向なら正、逆方向なら負、垂直なら0となる。

問2

仕事の単位J(ジュール)は、Nとmを使うとどう表せるか。

答えと解説を見る

答え:1 J=1 N・m。

1 Nの一定の力で、力と同じ向きに物体を1 m動かすときの仕事が1 Jである。

問3

物体を右向きに10 Nの一定の力で引き、右へ3.0 m動かした。この力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:30 J。

W=Fs=10×3.0=30 J。力と移動の向きが一致している。

問4

右へ4.0 m動く物体に、左向きに5.0 Nの一定の力が働く。この力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:−20 J。

移動と逆向きなので W=−Fs=−5.0×4.0=−20 J。

問5

水平に2.0 m動く物体に、鉛直上向きに8.0 Nの力が働く。この力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:0 J。

力と移動方向が垂直なので、移動方向の力の成分は0である。

問6

重い荷物を同じ高さで静止させて支えている。手が荷物にする力学的な仕事は?

答えと解説を見る

答え:0 J。

荷物が移動しないため。筋肉の活動で体内のエネルギーを使うこととは区別する。

問7

荷物を一定の高さに保ち、水平に運ぶ。手が荷物に加える力が鉛直上向きだけなら、その力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:0 J。

上向きの力と水平な移動が垂直だからである。持ち上げる過程や加速する過程は含めない。

問8

質量2.0 kgの物体を、一定の速さで鉛直上向きに1.5 m持ち上げる。手の仕事は?

答えと解説を見る

答え:30 J。

等速なので手の力はmg=20 N。W=mgh=2.0×10×1.5=30 J。

問9

問8の持ち上げで、重力のする仕事は?

答えと解説を見る

答え:−30 J。

重力は下向き、移動は上向きなので W重力=−mgh=−30 J。手の仕事と打ち消し合う。

問10

物体を右へ2.0 m動かす間、右向き12 Nと左向き7.0 Nの一定の力が働く。合力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:10 J。

合力は右向き5.0 N。W合力=5.0×2.0=10 J。各力の仕事24 Jと−14 Jの和にも等しい。

2. 仕事の原理と仕事率

問11

摩擦のない斜面で、物体を一定の速さで引き上げる。小さい力で引ける斜面では、引く距離はどうなるか。

答えと解説を見る

答え:同じ高さまでなら長くなる。

小さい力で済む分だけ距離が増える。理想的な道具では必要な仕事は小さくならない。

問12

質量10 kgの物体を、摩擦のない長さ5.0 m、高さ1.0 mの斜面に沿って等速で引き上げる。斜面に平行な力の大きさは?

答えと解説を見る

答え:20 N。

Fs=mgh より F=10×10×1.0÷5.0=20 N。

問13

問12で、引く力の仕事はいくらか。

答えと解説を見る

答え:100 J。

W=20×5.0=100 J。直接1.0 m持ち上げる場合のmgh=100 Jと等しい。

問14

理想的な動滑車1個で100 Nの荷物を等速で0.50 m持ち上げる。荷物を支えるロープは2本で、ともに鉛直とする。引く力とロープを引く距離は?

答えと解説を見る

答え:50 N、1.0 m。

力は荷重の半分、引く距離は上昇距離の2倍。仕事は50×1.0=50 Jで、100×0.50にも等しい。

問15

理想的な定滑車で荷物を等速で上げると、引く力の大きさは荷物の重さより小さくなるか。

答えと解説を見る

答え:小さくならない。同じ大きさになる。

定滑車は主に力の向きを変える。滑車とロープの質量・摩擦は無視する。

問16

仕事率の意味と単位を答えよう。

答えと解説を見る

答え:単位時間あたりの仕事。単位はW(ワット)。

平均の仕事率P=仕事W÷時間t。1 W=1 J/sである。仕事の記号Wと単位のWを区別する。

問17

600 Jの仕事を3.0 sで行う。平均の仕事率は?

答えと解説を見る

答え:200 W。

P=600÷3.0=200 W。

問18

仕事率が一定で500 Wの装置が、4.0 sで行う仕事は?

答えと解説を見る

答え:2000 J。

仕事=仕事率×時間=500×4.0=2000 J。

問19

質量20 kgの荷物を一定の速さで2.0 m持ち上げるのに4.0 sかかった。持ち上げる力の平均の仕事率は?

答えと解説を見る

答え:100 W。

仕事mgh=20×10×2.0=400 J。P=400÷4.0=100 W。

問20

移動方向と同じ向きに30 Nの力を加え、物体を一定の速さ2.0 m/sで動かす。この力の仕事率は?

答えと解説を見る

答え:60 W。

同方向ならP=Fv=30×2.0=60 W。他の力が打ち消していれば、正の仕事をし続けても等速で動く。

3. 運動エネルギーと仕事

問21

質量m、速さvの物体の運動エネルギーKを表す式は?

答えと解説を見る

答え:K=½mv²。

質量はkg、速さはm/sで代入すると、単位はJになる。

問22

質量2.0 kg、速さ3.0 m/sの物体の運動エネルギーは?

答えと解説を見る

答え:9.0 J。

K=½×2.0×3.0²=9.0 J。

問23

同じ質量で速さを2倍にすると、運動エネルギーは何倍になるか。

答えと解説を見る

答え:4倍。

運動エネルギーは速さの2乗に比例するため、2²=4倍となる。

問24

同じ速さで質量を3倍にすると、運動エネルギーは何倍になるか。

答えと解説を見る

答え:3倍。

速さが同じなら、運動エネルギーは質量に比例する。

問25

質量2.0 kgの物体の速さが2.0 m/sから4.0 m/sになった。合力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:12 J。

W合力=K後−K前=½×2.0×(4.0²−2.0²)=16−4=12 J。

問26

静止していた質量2.0 kgの物体に、合力が16 Jの仕事をした。物体の速さは?

答えと解説を見る

答え:4.0 m/s。

16=½×2.0×v² よりv²=16、速さv=4.0 m/s。

問27

質量1.0 kg、速さ6.0 m/sの物体を停止させる。合力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:−18 J。

W合力=0−½×1.0×6.0²=−18 J。負の仕事で運動エネルギーが減る。

問28

水平面上を速さ4.0 m/sで動く質量2.0 kgの物体が、一定の動摩擦力4.0 Nだけによって減速する。停止までの距離は?

答えと解説を見る

答え:4.0 m。

初めの運動エネルギーは16 J。−4.0s=0−16 よりs=4.0 m。重力と垂直抗力の仕事は0。

問29

物体が右向きから左向きへ変わっても、速さが同じなら運動エネルギーは負になるか。

答えと解説を見る

答え:負にならない。運動エネルギーは同じ。

K=½mv²は、速さによって決まり、運動方向を表す符号をもたない。

問30

合力の仕事が0 Jだった。前後の運動エネルギーと、途中の運動について何がいえるか。

答えと解説を見る

答え:前後の運動エネルギーは等しいが、途中ずっと等速とは限らない。

仕事と運動エネルギーの関係は前後の差を表す。途中に速さの変化があっても、最終的に元の運動エネルギーに戻る場合がある。

4. 重力・ばねの位置エネルギー

問31

基準面から高さhにある質量mの物体の、重力による位置エネルギーUは?

答えと解説を見る

答え:U=mgh。

基準面でU=0とする。地表近くで重力加速度を一定とみなせる場合の式である。

問32

質量3.0 kgの物体が基準面より2.0 m高い位置にある。重力による位置エネルギーは?

答えと解説を見る

答え:60 J。

U=3.0×10×2.0=60 J。

問33

質量2.0 kgの物体が、高さ5.0 mから1.0 mまで下がった。重力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:80 J。

W重力=mg(h初−h後)=2.0×10×(5.0−1.0)=80 J。位置エネルギーは80 J減る。

問34

同じ始点と終点の間で、まっすぐ持ち上げた場合と遠回りした場合では、重力の仕事は変わるか。

答えと解説を見る

答え:変わらない。

重力の仕事は高さの差で決まり、経路にはよらない。ただし摩擦などの仕事は経路によることがある。

問35

位置エネルギーの基準面を変えると、2地点間の位置エネルギーの差は変わるか。

答えと解説を見る

答え:変わらない。

各地点の値は同じ定数分だけ変わるが、差は変わらない。運動を考えるときには差が重要になる。

問36

ばね定数kのばねを自然長からx伸ばした。フックの法則が成り立つ範囲で、弾性力の大きさは?

答えと解説を見る

答え:F=kx。

弾性力の向きは、伸びや縮みを戻す向き。kの単位はN/mである。

問37

ばね定数100 N/mのばねを自然長から0.20 m伸ばす。弾性力の大きさは?

答えと解説を見る

答え:20 N。

F=kx=100×0.20=20 N。cmのまま代入しない。

問38

ばね定数k、自然長からの伸びまたは縮みの大きさxについて、弾性エネルギーUを表す式は?

答えと解説を見る

答え:U=½kx²。

自然長をU=0とする。力が0からkxまで変化するため、一定の力kxと距離xの積にはならない。

問39

ばね定数200 N/mのばねを自然長から0.10 m縮めた。弾性エネルギーは?

答えと解説を見る

答え:1.0 J。

U=½×200×0.10²=1.0 J。理想的なばねでは、同じ大きさの伸びと縮みで同じ値になる。

問40

ばね定数100 N/mのばねを、自然長から0.20 mまでゆっくり伸ばす。外力の仕事は?

答えと解説を見る

答え:2.0 J。

外力の仕事は弾性エネルギーの増加に等しく、½×100×0.20²=2.0 J。ばねの弾性力の仕事は−2.0 J。

5. 力学的エネルギーの保存と応用

問41

力学的エネルギーとは、何と何の和か。

答えと解説を見る

答え:運動エネルギーと位置エネルギーの和。

重力やばねの位置エネルギーを含めてE=K+Uとする。摩擦で生じる内部エネルギーはこの和に含めない。

問42

重力や理想的なばねの弾性力だけが仕事をする場合、力学的エネルギーはどうなるか。

答えと解説を見る

答え:一定に保たれる。

運動エネルギーと位置エネルギーが互いに変わっても、その和は保存される。

問43

物体を地面から5.0 mの高さで静かに放す。空気抵抗を無視すると、地面に着く直前の速さは?

答えと解説を見る

答え:10 m/s。

mgh=½mv² よりv=√(2gh)=√(2×10×5.0)=10 m/s。

問44

物体を鉛直上向きに10 m/sで投げ上げる。空気抵抗を無視すると、投げた位置から何m上昇するか。

答えと解説を見る

答え:5.0 m。

最高点で速さは0。½mv₀²=mgh よりh=10²÷(2×10)=5.0 m。

問45

振り子のおもりを、最下点より0.20 m高い位置から静かに放す。抵抗や摩擦を無視すると、最下点での速さは?

答えと解説を見る

答え:2.0 m/s。

糸の張力は移動に垂直で仕事をしない。mgh=½mv²よりv=√(2×10×0.20)=2.0 m/s。

問46

水平で摩擦のない面上の質量0.50 kgの物体で、ばね定数200 N/mのばねを0.10 m縮めて静かに放す。ばねが自然長に戻った瞬間の速さは?

答えと解説を見る

答え:2.0 m/s。

½kx²=½mv²。ばねのエネルギーは1.0 Jなので、1.0=½×0.50×v²よりv=2.0 m/s。ばねの質量は無視する。

問47

初めの力学的エネルギーが50 Jで、運動中に摩擦力が−12 Jの仕事をした。他に力学的エネルギーを変える仕事がないとき、後の力学的エネルギーは?

答えと解説を見る

答え:38 J。

E後−E前=W摩擦よりE後=50−12=38 J。減少分は接触する物体などの内部エネルギーへ移る。

問48

動摩擦力が一定の水平な路面で、同じ車が速さvと2vからブレーキをかける。空走距離は含めず、停止までの制動距離は何倍か。

答えと解説を見る

答え:4倍。

摩擦力の大きさをfとするとfs=½mv²。fが同じなら制動距離sは速さの2乗に比例する。

問49

質量2.0 kgの物体が、滑らかな斜面を高さ1.0 mの位置から静かに滑り下りる。その後、水平面で一定の動摩擦力5.0 Nを受ける。水平面上で停止までに進む距離は?

答えと解説を見る

答え:4.0 m。

斜面でmgh=20 Jが運動エネルギーになる。水平面で5.0s=20よりs=4.0 m。斜面と水平面の接続でエネルギーは失われないとする。

問50

質量1.0 kgの物体が高さ2.0 mの位置から静かに滑り下り、最下点で速さ4.0 m/sだった。初めから最下点までに失われた力学的エネルギーは?

答えと解説を見る

答え:12 J。

最下点を位置エネルギー0とすると、初めはmgh=20 J、後は½mv²=8.0 J。差の12 Jが摩擦などで内部エネルギーへ移った。

使い方

問1〜10:仕事の意味と符号、問11〜20:仕事の原理と仕事率、問21〜30:運動エネルギー、問31〜40:位置エネルギー、問41〜50:保存則と応用。問題中の値は学習用に設定しています。教科書の版を指定せず、高校「物理基礎」の基礎〜標準を想定しています。

先頭へ戻る ↑